人材育成

「人材育成」の手法

経営上の課題として多くの企業があげられるのが、「人材育成」です。
人材育成には、「こうすれば優秀な部下が育つ」という絶対的な手法は存在しないといわれます。
それは、個人や企業の成長はそれぞれの状態や能力などによって異なるからです。
今回は、「人材育成」で主に用いられている手法について書きます。

「人材育成」の準備

「人材育成」を考えるときには、「どんな方法で教育するか」が注目されがちですが、教育方法を考える前に準備しておくことが2つあります。
(1)「人材育成」によって解決したい課題を把握すること。
まずは社内に「どんな課題があるのか」を把握することが必要不可欠です。
また、課題が把握できたら、「どれから解決していけば良いか」と優先順位付けも行っておくとスムーズな人材育成が可能になります。
(2)「人材育成」によって成したい目標を設定すること。
「誰を」、「いつまでに」、「どんな」人材になってもらいたいかという目標を設定することも重要です。
目標設定を行うときには、自社の事業計画をから、どのようなスキルを持った人材がいつまでに何人必要なのかを具体的に設定しましょう。

「人材育成」の手法

人材を育成することで解決できる課題を洗い出し、目標設定ができたら次はどのように育成するかを検討する段階です。
ここで、「人材育成」で用いられている主な手法とメリット、デメリットを紹介します。

1. OJT

OJTとは、「On the Job Training」のことで、多くの企業で用いられている手法で、実際の業務を通して知識やスキルの習得を目指す手法です。
メリットは、実践で知識やスキルだけでなく経験も積むことができるため、即戦力を期待できます。
一方、デメリットには、人材が不足している企業には向かないことです。
OJTは従業員1人に教育担当を1人つけることが一般的ですので、大人数を教育することが難しいのです。
また、教育担当者の知識やスキルによって教育の質が違ってくることもデメリットです。

2.Off-JT

OFF-JTとは、「Off the Job Training」のことで、講師を招いたセミナーや社内の集合研修など、業務外の研修のことです。
Off-JTのメリットは、従業員が集まって研修を受けられるため、一度に大人数を教育できることです。
また、講義であれば講師は一人なので、教育の質がOJTと比べ安定しています。
一方デメリットとしては、集合研修なので、研修参加者が実務から離れてしまうことでしょう。

3.eラーニング

eラーニングとは、PCやタブレットを使ってオンラインで講義動画などを視聴して学習する手法です。
メリットとしては、インターネットさえつながれば時間や場所を選ばず学習ができることです。
そのため、OJTのように教育担当をつけなくてすみます。
また、企業向けのeラーニングのサービスはコストがあまりかかりません。
一方、デメリットは、各従業員が個別で学習することになるので、モチベーションの維持が難しい点です。

4.自己啓発(SD)

自己啓発(SD)とは、個人が自発的に行う、それぞれの仕事に役立つ学習のことです。
自己啓発のメリットは、スキルアップが早く、モチベーションアップにつながることや業務外で行えるため、実務への支障が小さいことなどがあげられます。
デメリットは、個人がプライベートで行うことが多いため、費用が高くなってしまうことです。

4つの手法について書きましたが、これらは単独ではなく、状況によって組み合わせることで、相乗効果を発揮することができます。
「Off-JTで学んだことをOJTで実践する」「OJTで実践する中で、不足する事はOff-JTやeラーニングで学ぶ」「OJT 、Off-JT、eラーニングと並行して自己啓発を行う」などです。
対象者の立場や役割、スキルなどに応じて4つの手法を適切に組み合わせて、効果的な育成計画を作成することが重要です。

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