仕事が「やりっぱなし」になってしまい、振り返りや改善まで手がまわらないことがありませんか。
今回は、「振り返り」を継続的に実施し、仕事やプロジェクトの改善を加速する「KPT法」を紹介いたします。
もともとはシステム開発の領域で使われていたフレームワークですが、ビジネス全般において汎用的に役立つフレームワークです。
KPTとは
KPTとは、仕事やプロジェクトなどを対象に①「Keep(成果が出ていて継続すること)」②「Problem(解決すべき課題)」を洗い出し分析した上で、具体的な改善策としての③「Try(次に取り組むこと)」を検討するという流れで行われます。
わかりやすくいえば、Keep=「良かったこと」、Problem=「悪かったこと、直したいこと」、Try「どうやって解決・改善するのか」です。
このフレームワークは頭文字をとって「KPT」と呼ばれており、日本語では「ケイピーティー」や「ケプト」と読まれます。
KPT法の実践
基本的には「ホワイトボードと付箋」で進めます。
下記のような図をホワイトボードに書き、Keep、Problem、Try、それぞれに応じた内容を、付箋に書いて貼っていきます。
KPTを行うタイミングは、仕事の区切りがついた直後がよいとされています。
プロジェクトがひと段落ついたら、時間を開けずに書き出すことにより、KPTの質が上がります。
Keep・Problemを書き出して貼り出す
まず、参加者全員が各自で「Keep(良かったこと)」「Problem(悪かったこと、直したいこと)」を付箋に書き出し、ホワイトボードのそれぞれのエリアに貼っていきます。
細かいことは気にせず、思いついたものをどんどん書き出し多くの意見を洗い出しましょう。
Keep・Problemに対するディスカッション
各自が書いて貼り出したKeep・Problemに対して、全員がそれぞれの意見を発表しディスカッションをしながら分析を行います。
Keep・Problemとした理由や、それぞれの要因・原因は何なのかを明らかにすることが重要です。
ここではKeepをさらに良くするという観点とProblemを中心に課題の解決に注目することが重要です。
具体的なTryを決める
Keep・Problemのディスカッションで明らかになったことに、具体的にどういうアクションを取るのかをTryとして書き出します。
Tryは実際に実施することが前提ですから、実行・評価しにくい抽象的な表現は避け、明確に次のアクションに移せるTryを設定します。
Tryした内容が成果をあげればKeepとし、Tryした内容がうまくいかない、Problemが解決しない場合はProblemとなり、再度検討してTryするという流れで改善を続けます。
重要なのは自らふりかえりを行い、自ら解決策を導き出して改善するサイクルを作り上げることです。
KPT法は他のフレームワーク以上に応用が利き、日常のさまざま場面に広く利用できます。
実は、私もシンプルながらとても便利な方法と思い、よく使っています。
ぜひ、KPT法を日常に取り入れて、質の高い振り返りを行ってみませんか。