「司会」

葬儀ナレーションの一例⑤

故郷の国に帰るあなたへ

遠い中央アフリカから、仕事をするために日本にやってきた彼。
最初の2年間は日本語学校に通い日本語のお勉強。
自分の感情を言葉に伝えることが出来なくて、
とてもストレスを感じていたと言っていました。
頭が良く、賢いから、すぐに日本語を覚え、漢字まで読めるようになりました。

肌の色が違うので、人から怖がられたり、
仕事で行く訪問先の住所がわからず、道に迷いウロウロしていたら、
警察に職務質問されることもあったようです。

友人もいない、遠い異国の地で苦労したはずなのに、
そんな苦労など微塵も感じさせない人。
自分が日本を選んで来た。と言っていた彼。

肌の色が違えども、日本人の心を良くわかってくれていた人でした。

我慢することができる人。
今、あることを幸せといつも神に祈る人。
信仰に熱心な人。

貴方の魂が、今、地球の裏側にいる家族のもとにありますようにと、
心からお祈りいたします。

私達に愛と希望と恵みをありがとう。

宗教の違いもあり、会社の皆様は、日本で行うお葬式をどのようにしたらよいか戸惑っていらっしゃいました。
家族にも最期に会えず自分の人生をとじた彼。
ひょっとしたらこのようなお葬式はこれから珍しくなくなるかもしれません。

 

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