「司会」

緊張から解放されるためには、自分を知ることから

説得力のある声を出すための大切な要素として、平常心やリラックスなどがあります。
どんなに良い声を持っていて、どんなに伝えたい想いが明確でも、緊張しすぎて実力を発揮できなければ、何にもなりません。
声をトレーニングする前段階の準備として、緊張と自分の関係を俯瞰してみましょう。

①緊張する理由

人間は緊張すると、筋肉が硬くなり、呼吸が速くなり血流が速くなるなど、危険に対応できる体に変化するようになっています。
危険にさらされた状態、つまり、ストレスや不安を感じるときに起きる緊張は、誰もが持っている防衛本能です。

②緊張のメカニズム

緊張は自立神経の働きによって起こります。
自律神経は一言でいうと、内臓、血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整える神経です。
自律神経は、運動神経とは違って、私たちの意思とは関係なく独立して働いているので、内臓や血管を私たちの意思で自由に動かすことはできません。
自律神経には副交感神経と交感神経があります。この二つは一つの器官に対して、互いに相反する働きをしています。
人間は緊張すれば、交感神経が優位になります。
これは動物が毛を逆立てて臨戦態勢に入ったときのような状態。心臓が高鳴り、顔面は紅潮し、汗をかいて体を硬く緊張させます。
つまり、あがり症の人は、交感神経が人よりも敏感で、このような反応が少々強くできすぎてしまうのでしょう。

③今までの自分を振り返る

これまでの人生のなかで、緊張した場面をいくつか思い出してみましょう。
例えば、人前で話したり、初対面の人と話をしたりする機会のなかで以下のような経験はないでしょうか。

・初対面の人と会うと緊張する
・自己紹介が苦手
・名刺交換で手が震える
・人に見られている仲での行動がぎこちない
・異性と話すのが苦手、
・人前に立つと手足が震え、きちんと話そうとすると頭が真っ白になる
・早口になったり言葉に詰まったりする

上記のような状態に心当たりのある方は、いわゆる「あがり症」かもしれません。
あがり症とは人前に出ると極度に緊張してしまう性質のことです。
適度な緊張は集中力を高め、良い結果を生み出すと言われていますが、度合いが過ぎれば、説得力のある声で話をすることはできません。

④己を知る

まずは自分をしっかりと見つめなおしましょう。
以下の緊張する場面にチェックを入れてください。

・初対面の人と会う時
・はじめてお店に予約や問い合わせの電話をかける時
・生き慣れていない高級なお店に入る時
・スポーツの試合前や大会前、趣味や習い事の発表会前など
・試験や面接を受ける時
・新たな職場や会社に行くとき
・飲み会やコンパなどで、自己紹介をするとき
・目上の人に会う時
・大勢のまで話すとき
・いきなり質問されたり、発言を求められた時
・セミナーや司会進行の進行を頼まれたとき

自分が緊張しやすい状況の傾向を掴みましょう

⑤緊張を和らげるために

・姿勢を正す
→悪い姿勢は脳がストレスを感じます。
背筋を伸ばし、正しい姿勢を取るだけでも、脳が感じるストレスを軽減できます。

・ぶらぶら体操をする
体に力が入っていると脳はストレスを感じます。力を抜くことで緊張しにくい体を作ることが出来ます。

・ジャンプする
体の力を抜くためにはジャンプも効果的です。

・深呼吸をする
呼吸の速度は意識的にコントロールすることが出来ます。
また日ごろからゆっくり呼吸をすることを意識し、身に着けていれば、日々のストレス軽減にも役立ちます。

・ゆっくり動く
早歩きや早い動きは交感神経が働きやすくなります。
緊張するときこそ、あえてゆったりとした動作を心がけましょう。

・楽しいことを思い出す
「緊張」と「楽しい気持ち」は真逆にあります。
思わず笑ってしまうようなことを思い出しましょう。
思い出の品を持ち歩いたりするのもおすすめです。

以上の内容を踏まえて、緊張をなくし、自分の力を最大限発揮させましょう。

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