業務改善

フィッシュボーンチャート

業務上の問題点や課題を洗い出すには、フレームワークの活用がおすすめです。
今回は、そのフレームワークの一つである「フィッシュボーンチャート」を紹介します。

フィッシュボーンチャートとは

フィッシュボーンチャートとは、複数の原因と1つの結果をまとめた図で、魚の骨に似た形をしています。
特性と要因をまとめたものなので、日本語では「特性要因図」といいます。
工学博士・石川馨氏によって考案されたため、「石川ダイヤグラム」とも呼ばれることもあります。
フィッシュボーンチャートは、問題が起きた原因を「なぜ?」と追究し、その答えにも「なぜ?」と掘り下げる、「なぜなぜ分析」の一種です。
一般的に、1つの結果を生み出す原因は1つではありません。
いろいろな原因が複合的に重なって1つの結果を生み出すことが多いのです。
商品製造における各工程を管理するため、長年使われていますが、ビジネスにおける原因と結果の関係を表すのに最適なことから、製造業に限らず使われています。

フィッシュボーンチャートの構成

フィッシュボーンチャートは、基本的に4つの部分で構成されています。
特性:魚の頭の部分。各プロセスを経た結果。解決すべき問題です。
背骨:特性から伸びる線。特性と大骨をつなぎます。
大骨:背骨から伸びる線。特性に至る大きな要因。フレームワークにおける各要素です。
小骨:大骨から伸びる複数の線。大骨に影響する細かな要素です。

フィッシュボーンチャートのメリット

フィッシュボーンチャートを作成して問題の構造を可視化すれば、課題の解決に役立ちます。
頭を整理するだけでなく、問題を共有するにも有効な方法です。
また、完成したフィッシュボーンチャートは、①問題の原因を考察する。②プロセスの全体を把握する。③問題を組織全体で共有する。ために利用できます。

フィッシュボーンチャートの書き方

1. 特性と背骨を書く

上の図のように、魚の骨をイメージし、頭の部分に、解決したい問題の「特性」を書きます。
そして、特性に向けて長い矢印を書き、背骨を作ります。

2. 大骨を書く

フレームワークに当てはまる要因と大骨を書き、大骨をできるだけ増やします。
なお、大骨は小骨を書くのに余白が必要なるため間隔を空けて、また、流れをイメージしやすいように矢印で書きます。

3. 小骨を書く

最後に、大骨の課題や問題点として、原因を考えて小骨を付け加えます。
小骨も矢印にし、思いつくかぎり小骨を増やします。
小骨が書けたら、フィッシュボーンチャートは完成ですが、さらに細かく分け、孫骨とすることもあります。
孫骨までフィッシュボーンチャートに加えることで、原因をより細かく探ることができます。
そして、完成図を見て考え、特性について悪影響を及ぼしていると思われる要因を挙げます。
これが、改善すべき点です。

フィッシュボーンチャートは、ビジネスだけでなく、個人的な問題にも有効です。
フィッシュボーンチャートにより因果関係を明らかにすることで、問題の本質に迫ることができます。
「問題の本質に迫る」ことはどの業界でも必要なことですので、ぜひ、フィッシュボーンチャートを利用してみてください。

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