「司会」

葬儀ナレーションの一例①

この子が君の分も生きるよ

心の真ん中にあなたの笑顔が浮かんでくる。
溢れる愛情をありがとう。

葬儀って、今までは他人事のように思っていたけれど・・・。
現実に自分の身に起こるんですね・・・。
妻が遠くに逝ったような気がしないんです。
今でも心の中の大切なところに、彼女が居ることを感じています。
くよくよしている暇はない。
子供と一緒に、ただ前だけを見つめて歩いて行こうと思っています。

産まれた子供の名は、
2人の希望の星となるように、「○○○」と名付けました。
良い名でしょう。

奥様のお写真を前にお話をしてくださるご主人様の瞳の中には、○○さんがいらっしゃいました。

昭和○年○月○日、4人兄弟の末っ子としてこの世に生を受けられた○○さん。

末っ子だから可愛くて・・・。可愛くて・・・。
おしめを変えたり、一緒に遊んだり、勉強を見たり、お弁当を作ってあげたり・・・。
両親よりも私達が世話して育てたのよ。
と、お兄様とお姉様がおっしゃられます。

将来を選択する頃になると、○○さんは、美容師の道を選ばれます。
美容学校を卒業し、スタイリストとしてサロンで活躍する中、
ご友人の紹介で、ご主人様の△△さんと、巡り逢われます。

出逢って3年、
結婚して2年。
本当に良くしてくれて、○○が居ないと、どうしていいかわからない・・・。
心の声と想いを伝えてくださいました。

明るくしっかり者で、芯が強くて・・・。
そんな○○さんを想う時、涙は似合わないかもしれませんね。

○○さんが、安心できるようにと、
多くのご友人の皆様からのメッセージをお預かりいたしました。
一部のみですが、お伝えさせていただきます。

・髪を切って貰おうとお店に電話したら産休に入ったと聞いたよ。
これからどこに行けばいいのかな・・・。もっと早く行けばよかったよ。
・頑張って、可愛い赤ちゃん産んだね。お祝いに行くから!て、言ったばっかりなのに・・・。
・お店では色々お世話になり本当にありがとうございました。今でも実感がわきません・・・。
・赤ちゃんを抱っこしている顔、幸せそう・・・。悔しくて・・・。また、逢いたい・・・。
・会おうね!って言って電話切ったの、昨日だよ。赤ちゃんは、私達も可愛がるから・・・。

○○さん、皆様の祈りの声は、届きましたか?

○○さんが紡がれた命は、
想いと共に、受け継がれていくことと存じます。

ここに、安らかな旅路を、皆様と共にお祈りさせていただきます。

取材のためにお会いした喪主様(故人のご主人様)は、信じられないほど明るい印象で「よろしくお願いします。」と挨拶をしてくださいました。
その笑顔の印象は「これは夢なんだ!」と自分に言い聞かせているようでした。
お話が進み、お子様のお名前を口にしたとたん、感情が溢れだし嗚咽された姿を今でも思い出します。
人はみんな望まれて、愛されて産まれてくる。
私たちは生まれたときの記憶を魂に刻みながら生きていれば、世の中はもっと平和で愛に溢れているかもしれません。

 

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