「終活」

「終活」が人生を変える

「終活ブーム」

「終活」とは人生の終わり方を考える活動を意味する単語で、初めて登場したのは「週刊朝日(朝日新聞出版)」で2009年に連載されていた記事「現代終活事情」だそうです。
この雑誌連載をきっかけに「終活」が認知され、2012年の新語・流行語大賞トップテン入賞しています。
その後、「終活」がブームになってから10年の歳月が経ち、現在では日本中に定着しました。
「終活」に関する書籍もたくさんありますし、雑誌には「死ぬまでにやっておきたい手続き」といった記事がたびたび登場しています。
また、現在は新型コロナウイルスによって集会型の講座は難しくなっていますが、民間事業者や自治体が実施する市民講座、イベントなども増加傾向です。

「終活ブーム」の背景

「終活ブーム」の背景には、「人はいつ死んでしまうか分からない」と多くの人が思った2011年の東日本大震災があります。
また、「一人暮らしの高齢者」が増加していることも無関係ではありません。
子どもとの同居世帯が減少したことや、未婚や離婚が珍しくない世の中になったこともあり、自然と「一人暮らしの高齢者」が増えました。
一人の老後に不安を抱え、「孤独死は困る」「孤独死をして周りに迷惑をかけたら…」といった不安が「終活ブーム」の背景にはあるようです。
さらに、核家族化が進み「子供に迷惑をかけたくない」と考える人も増えたのも「終活」をする人が増えた要因といえるでしょう。

ポジティブな「終活」

これまでの日本では「死」について考えることはタブーでしたが、近年では自分の死について語っても、「縁起でもない」といわれることも少なくなり、自分の死や終末期を前向きにとらえる人が多くなってきました。
それに伴い「終活」についてもポジティブに受け止められることが多くなっています。
「死」を直視することによって「生」も輝きます。
その意味では「終活」が盛んになるのは良いことだといえます。

「終活」が人生の最期を変える

この10年で終活は一過性のブームを超えてすっかり定着しました。
「終活」の目的は、人生をより豊かに「生きる」ためにあります。
自分の死を意識している人の方が、意識していない人に比べて約2倍も幸福度が高いといわれます。
「終活」で自分の死を前向きにとらえることが、残りの人生を充実したものにしたいという意識につながります。
そして「終活」自体を楽しくし、この先の人生を有意義に送るための原動力になることでしょう。
心のこもった「終活」は、自分が納得のいく最期を迎えられるだけでなく、家族にも温かな感情を残します。
そうした「終活」が普及していけば、人生の最期の迎え方の幅も広がっていきます。
「終活」が人生の最期を変えることでしょう。

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