「終活」

終活のための十か条②

終活のための十か条①からの続きです。

6,「遺言や事前指示を書いておく」こと

遺産をめぐったトラブルが多いのは、お金持ちではありません。
実際は、家とわずかな預貯金しかない家庭のほうがトラブルは多く、100万どころか、数万でもめるとこもあると聞きます。
ですから、お金のある方もない方もあとを濁さず旅立つために、遺言やリクエストを書いて、自分の意思を伝えましょう。
また、最近は「人生の最終段階における医療の事前指示」も注目されています。
延命治療を希望してほしくないといった希望を叶えてほしいのであれば、事前指示を書くか、家族に伝えるようにしましょう。

7,「緊急医療情報を用意しておく」こと

あちこちの自治体で、自宅の冷蔵庫に保管して救急車を呼んだ時に救急隊員に呼び出してもらう「緊急医療情報キット」が導入されています。
ですが、緊急医療情報キッドがあっても、外で事故に遭ったときには役立ちません。
そこで、お財布に入る医療情報カードを作成している方もいます。
書いてあるのは、住所、氏名、現在かかっている病気、服用薬、アレルギー反応、血液型、既往歴、手術歴、健康保険番号、かかりつけ医の連絡先などです。
小さなサイズのカードでも、いろんな情報が書き込めますし、その情報が命を救ってくれます。
この程度のカードは自分一人でも作れますので、自分用の緊急医療カードを作ってみてはいかがでしょうか。

8,「在宅医療について知っておく」こと

医療費は増え続けるし、おひとりさまや老々介護も増えていきます。
これでは、国の財政が破綻すると、国は「病院から在宅へ」の流れを決め、各自治体は「地域包括ケアシステム」を作ろうとして模索しています。
これは簡単にいうと、これまで繋がっていなかった介護と医療、在宅医療と、自宅や病院と施設、そして住民を含めた地域をつないで、本人と家族を支えていくというものです。
在宅医療というと「看取り」のことばかりがクローズアップされていますが、在宅医療は認知症や慢性疾患等のある人が、よりよく生き、穏やかな看取りを迎えるための医療です。
これは「最後まで自宅」を望む方に知って頂きたいと思います。

9,「人持ち力を作る」こと

地域包括ケアについてお話しましたが、これからは地域ぐるみで医療や介護を支えていかないと立ち行かなくなる時代です。
そこで必要になってくるのが、「地域力」です。
家族の力だけで、介護を支えることは不可能です。
公的なサービスはだけでは十分とは言いません。
だから、地域のさまざまな支援、人的資源の存在が必要になってきます。
それを繋げていくのは「おたがいさま」の心です。
自分が元気な時は、元気ではない人を支え、自分が元気でないときは元気な人に助けてもらう。私たち自身がそういう「おたがいさま」のこころで支え合わないと、今ある医療、介護、福祉を次の世代に繋げることができません。
そこで大切なのが「人」です。
人は私たちが、老後を生きていくための大切な社会資源で、人の力が地域の力を作っていきます。

10,「自分らしいケアネットをつくる」こと

これからの人生を自分らしく生きるには、みなさんひとりひとりが自分の健康状態と予算、生活環境に合わせた、ケアのネットワークをこれまでお話したような「自分力」「人持ち力」で作っていくことが大切です。
そしてそうしたものが積みあがって行けば、ケアの力が「地域力」として花開いていくでしょう。

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