晩年をよりよく生きるための自分整理が「終活」です。
残された人生を、おひとりさまでも充実させるために、今から終活をはじめましょう。
今回は、「おひとりさまが終活ですべきこと」について書きます。
1. 生前整理をする
生前整理は終活のメインの作業です。
単なる整理整頓とは違い、断捨離の意味あいが強くなります。
家の中を整理することで、物につまずくケガのリスクも抑えられ、物の場所を把握しておくことでストレスのない生活を送ることができます。
生前整理によって、本当に必要なものが何なのか考える機会にもなりますし、残された人生を大切なものと一緒に暮らすことができます。
2. 葬儀やお墓を決めておく
葬儀やお墓の生前予約は、終活の一環として取り組む人が増えています。
少し前までは、生きている間に葬儀やお墓のことを考えるのは縁起が悪いといわれていました。
しかし、最近ではおひとりさまが増加し、葬儀やお墓の生前予約は一般的になってきているそうです。
事前に自分の葬儀について、葬儀社に相談し、内容などを決めておくことで自分らしい葬儀ができます。
また、葬儀やお墓だけでなく永代供養も生前予約できます。
3. 地域のコミュニティに積極的に参加する
地域のコミュニティなど、日頃から地域の集まりに参加しておくと、いざという時に安否確認をしてくれます。
戸籍上の家族がいなくとも、いざという時に何かを頼める友人がいることは非常に心強いことです。
また、役所に自分がひとり暮らしであることを伝えておくと安心です。
4. 「死後事務委託契約」を利用する
クレジットカードの解約や入院費の支払い、葬儀の主宰など、人が死亡するとさまざまな手続きが発生します。
それらの手続きを、生前から第三者に頼んでおく契約が「死後事務委託契約」です。
信頼できる友人・知人、または弁護士や司法書士・行政書士などの法律の専門家に依頼することもできます。
法律は、基本的に死後の事務手続きは親族が行うことになっていますが、おひとりさまで親族がいない場合は、死後事務委託契約を利用するのがおすすめです。
5. 「任意後見人制度」を利用する
生きている間に判断能力がなくなってしまうことも考えておく必要があります。
任意後見人制度とは、判断能力があるうちに自分の財産を管理する「後見人」をあらかじめ決めておくという「成年後見制度」のひとつです。
死後事務委託契約と同じく、親しい友人や司法書士など信頼できる人を後見人として指名することができます。
認知症だけでなく、脳に損傷を受けるなど、突然判断能力がなくなってしまうことは誰にでもあり得ることです。
家族の介護を受けられないおひとりさまの場合は、後見人制度を利用するのがおすすめです。
6.「遺言書」を書く
「自分には残す財産がないから遺言は必要ない」といわれる方もいます。
しかし、お金だけが「財産」ではありません。
土地、不動産、自動車、生命保険などもすべて「財産」です。
また、お金はいつ亡くなるか分からない以上、きれいに使い切ることは不可能です。
相続人がいない人の財産は、最終的に全て国に納められることになります。
せっかく今まで自分で貯めた財産ですので、使い道は自分で決めたいものです。
生前、よくしてくれた人に譲渡するとか、団体に寄付するなどを決め、それを遺言に意思を残しておくことで、自分の希望する大切な人に届けることができます。
7. 「エンディングノート」を書く
エンディングノートとは、自分の死後の要望などや家族・友人・知人に伝えたい思いを書いておくものです。
近年このエンディングノートを活用する人が増加しています。
遺言書と異なり法的効力がないため、書き方に決まった形式はありません。
自分が亡くなった時だけでなく、判断能力がなくなってしまった時のためにも、医療や介護についての希望を書き記しておくことができます。
自分の意思で決められることは元気なうちに決断しておき、最低限の意思表示をしておきましょう。