経営戦略

ウーダループ③

今回は基本の5つのプロセスを1つずつ見ていきます。
前回と同じく、「OODAループ思考[入門] 」入江 仁之(著)を参考にしています。

1.Observe(みる)

OODAループの最初のOは「Observe=みる」です。
「みる」には、目に入ってくるものを「見る」と同時に、意識して周りや相手の心などをとらえる「観る」の意味があります。
現実をあるがままにとらえるために、意識して「観る」ことに重きが置かれています。
そのためには、主観を排除し、客観に徹する必要があります。
視覚のほかに聴覚、嗅覚をフル稼働させて、現実をあるがままにみることが重要です。

2. Orient (わかる)

OODAループの2つめのOは「Orient=わかる」です。
「わかる」は、見たもの、気づいたことを自分なりに理解して納得することです。
OODAループにおいて、最も重要なプロセスになります。
私達は何かをみたとき、自分が持っている世界観に照らし合わせて理解することで納得できます。
世界観とは「○○とはこういうものだ」という認識、見方のことを言います。
しかし、一人ひとり異なる世界観持っているので、同じ現象でもどう理解するかは異なり、その違いが、判断と行動の差に表れるというわけです。
その意味でOODAループは、「判断する対象」にだけ注目する客観的思考法ではなく、「対象とその背景に対する認識(世界観)」をセットで理解する主体的思考法だといえます。
OODAループでは、何よりも速さに重きを置くため、みたものを瞬時に、「自分なりに理解して納得する」ことが第一で、場合によっては正しく把握する必要はありません。
理解が間違っていることはありますが、わからないから動かないよりは、いいのです。
まずは動いてみて、間違っていたら素早く修正するという仕組みがOODAループにはあるので、間違っていても問題ないのです。

3.Decide(きめる)

みて、わかったら、次のプロセスでは、どんな行動をとるのかを判断します。
これがOODAループのD、「Decide=きめる」です。
意思決定とは、複数の選択肢を並べて比較し、最善の答えを見つけ出す分析方法をいうのが一般的ですが、速さに価値を置くOODAループの「きめる」は、可能な限り直観を元に判断します。
「わかる」と感じられた状況では、直観的に決めます。
しかし「何が起きているのかわからない」という状況であれば、あらためて「みる」をします。
そのうえで時間があるなら選択肢を洗い出し、比較・分析をしてきめます。
時間がなければ、時間が許す限り自分の世界観を総動員して理解する努力をし、直観的にきめます。
時間がないのに1つずつ選択肢を洗い出して比較・分析することも、時間がないからといって、行動を放棄することは避ける必要があるからです。

4.Act(うごく)

OODAループのAは「Act=うごく」です。
これまでの3つのプロセスに比べて、「うごく」はシンプルです。
重要なことは、最後までやり抜くことです。
単に行動するのではなく、成果が出るように実行することです。
「うごく」ときは、すぐに実行するという意思を徹底することが最も重要です。
確信が持てない状況でうごくのは誰にとっても不安ですし、思ったような成果が得られないかもしれません。
しかし、失敗するにしても早いほうがいいです。

5.Loop(みなおす)

ODDAループの最後は「Loop=みなおす」です。
「うごく」を終えた後、その結果がどうだったか見直します。
失敗に終わった場合、「わかる」ができていなかった可能性が高いので、「みる」戻ってもう一度OODAループを回します。
失敗したからといって、終わったことをあれこれ考えるよりも、また最初からOODAループを回すことが先決。
それがODDAループにおける「みなおす」です。
OODAループを何度も素早く回すことによって「こういうときは、こううごく」という手持ちパターンが増えていき、直観力に磨きがかかっていきます。
そして成果が出るのです。

OODAループを使いこなすには

OODAループの5つのプロセスを見てきました。
こういうことなら、知らないうちに「同じようにうごいていた」かもしれません。
しかし、より効果的に使いこなすには、意識して使うようにすることです。
何らかの行動をとったときに、自分は今、「みる、わかる、きめる、うごく、みなおす」の5つのプロセスをすべて踏んだのか、それともどこかを飛ばしたのかを、後から考えてみるのです。
しかし、OODAループは理解するものではなく、実際に使うための思考法です。
5つのプロセスのうちいくつかを省略できるようになれば、自分のものにして使いこなせるはずです。

「PDCAサイクル」とは異なる「OODAループ」は、スピードの速いアプローチ方法で、普段の仕事や勉強でも使える思考です。
今回参考にさせていただいた「OODAループ思考[入門] 」入江 仁之(著)は、「OODAループ」の入門書で、理解しやすいものとなっています。
ご興味のある方はぜひ読んでいただけたらと思います。

 

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