顧客満足

顧客第一主義

「カスタマーファースト」

「顧客第一主義」の考え方に「カスタマーファースト」という言葉があります。
「カスタマーファースト」は、おもにサービス業において、顧客のことを考えて行動するための基本的な方針として使われる言葉です。
さまざまな商品やサービスが生まれる中、顧客のことを考えたものが選ばれることから、顧客に選ばれ続け、生き残るためにも「カスタマーファースト」の考え方は重要です。

「ユーザーオリエンテッド」

「ユーザーオリエンテッド」という言葉もあります。
「ユーザーオリエンテッド」も日本語に直すと「顧客第一主義」という意味になります。
「カスタマー」とは顧客を意味し、「サービス・製品に関わる全ターゲット」を指しているのに対して、「ユーザー」は「特定のサービス・製品の利用者」を指す言葉なので、範囲は狭まりますが、ここでは、どちらも「顧客」という意味でとらえ、「顧客第一主義」について考えていきたいと思います。
どちらも比較的新しい言葉のため、従来の「顧客の言うことは何においても最優先」という「顧客至上主義」と混同してしまいがちです。
しかし、「顧客第一主義」と「顧客至上主義」はまったく別のものです。
「カスタマーファースト」も「ユーザーオリエンテッド」も「顧客至上主義」ではないのです。
今回は、真の「顧客第一主義」の考え方について書きます。

「お客様は神様」ではない

「顧客第一主義」というと、「お客様は神様」という言葉が思い浮かびますが、どのような顧客も神様のように扱うことは、本当の意味で「顧客第一主義」とは言えません。
自分勝手な要求をして他の顧客の迷惑になったり、不利益を被ったりする顧客までを神様のように扱っていては、他の大多数の顧客の利益が損なわれます。
その点を考えると、過大要求をする顧客に対して厳格な対応をすることも辞さない姿勢が「顧客第一主義」につながります。

犠牲にすることではない

また、「顧客第一主義」は「自社や社員を犠牲にして、お客様を優先させる」ということでもありません。
本当の意味でお客様のことを考えると、良いサービスを長期にわたり継続的に提供し続ける必要があります。
そうするためには、自社の社員が気持ちよく働ける環境であることも大切です。
この点を考えると、顧客のことを考える社員が働きやすい環境を作ることが「顧客第一主義」につながります。
このことは、「従業員満足(ES)」と「顧客満足(CS)」の関係でも、「ESとCSには正の相関関係がある」や「ESやCSを上げると企業の業績が向上する」といわれます。
(「従業員満足(ES)」と「顧客満足(CS)」については、別の機会に書くことにします。)

「顧客第一主義」を実現するには

まず、全社員に「カスタマーファースト」や「ユーザーオリエンテッド」の理念を共有することが重要です。
全社員に「自分たちは顧客の幸せのために商品やサービスを提供している」と理念を浸透させることで、全社を上げて顧客のことを考え商品やサービスをつくることができます。
理念が浸透することで、目の前の目標のために働くのではなく、顧客のことを考えて理念を達成するには何をするべきか本質を考えて行動できるようになります。
次に、社内の労働環境を整えて社員の「仕事の質」を上げることです。
自分の仕事が認められ、顧客に喜んでもらえると社内の士気が高まります。
そして「お客様のためにもっと何かしたい」という気持ちにつながり、Win-Winの関係が長く続いていくことになります。

関連記事

TOP