業務改善

時間管理のマトリクス

限りある時間の中で業務効率を上げるには、タスクの優先順位を決め、順番に対応していくことが重要です。
そして、優先順位を決めるうえでは「時間管理のマトリクス」を活用することが効果的といわれます。
今回は、この「時間管理のマトリクス」について書きます。

「重要度」と「緊急度」

「時間管理のマトリクス」は、物事の優先順位を判断するためのフレームワークです。
このフレームワークは下の図のように、「重要度」と「緊急度」の2軸を設定し、重要度の高低と緊急度の高低の4つの領域を設定します。

A:緊急かつ重要、B:重要だが緊急ではない、C:緊急だが重要ではない、D:重要でも緊急でもない、の4つの領域に分かれます。
この4つのタスクに整理することで、今自分が何をしなければいけないのか、会社として何から取り組んだらよいのかを明確化できます。

4つの領域

「領域A」は、すぐに取り掛かるタスクです。
他のタスクに手を付ける前に、優先的に終わらせましょう。
「領域B」は、将来に必要なものである可能性が高いです。
重要視して、優先度を高めに設定します。
「領域C」は、自分の身にならない事があります。
このようなタスクは、自動化や簡略化、代行などを考え、なるべく時間を使わないよう工夫すると良いです。
「領域D」は、不要なタスクである可能性があります。
思い切って「やらない」と選択するもの重要です。
または、他の人に任せるなど、タスク自体を取り除けるか考えてみましょう。

「時間管理のマトリクス」の優先順位

Aが優先順位1位で、Dが優先順位4位ということは直感的にも分かるかと思います。
では、BとCではどちらの優先順位が高いのでしょうか。
一般的には、優先度は「A ⇨ B ⇨ C ⇨ D」の順と言われています。
しかし、多くの場合、緊急度の高いCを優先しています。
つまり、実務上の優先度は「A ⇨ C ⇨ B ⇨ D」の順となります。
理想と現実のギャップの部分です。

領域「B」がポイント

「B:重要だが緊急ではない」が一番重要なポイントです。
緊急度が低いので、主体性が求められる案件が多いと思います。
見方を変えれば、一番自分を成長させてくれる課題です。
重要なだけれども緊急ではない案件なので、直前になり「A:緊急かつ重要」に変化してから取りかかるということはありませんか。
実は、「A ⇨ C ⇨ D」の順で対応している人が多いのです。
Bがありません。
つまり、BがAに変化してから対応し始めている、または、Cの次はBに取り組むべきところを、Dにいっているのです。
しかし、時間をできる限り効率的に使って、Bに注力する必要があります。

実行することが大切

マトリクスを作ることも大切ですが、整理し実行することが、もっと大切です。
優先順位を意識し、高い順にタスクをこなすためには、以下のポイントをおさえておきましょう。

1.タスクの期日と目標値を決める

「いつまでに」「どこまでやるか」ということを予め決めておきます。
長期的なタスクの場合はなおさら、標石を置いて、少しずつ進めることが大切です。

2.業務を可視化する

優先順位を付けたタスクは、TODOリストやタスク管理ツールに落とし込み、「見える化」します。
それによって抱えているタスクのボリュームや進捗状況が俯瞰できます。

3.やらないことを決める

振られたタスクをすべて片付けるのではなく、「やらない」という判断も必要です。
業務の見直しや、自分以外の誰かに頼ることも選択肢に入れておきましょう。

4.簡単なタスクは書き出す前に片付ける

数分で終わるようなタスクは重要度と緊急度のマトリクスに書き出す前に片付けてしまいます。
書き出す手間を省くことはもちろん、タスクが多いと圧迫感が生まれます。
簡単なタスクは先に片付け、大きなタスクに集中して取り組みましょう。

今回は、「時間管理のマトリクス」について書きました。
優先順位に沿ってタスクを消化できると、タスクに追われることもなく、いつまでも終わらない重要なタスクを抱え続ける不快感がなくなります。
それによって、気持ちの余裕が生まれます。
この「時間管理のマトリクス」を使って、気持ちよく仕事をこなしていきましょう。

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